吉永 圭史 さん
出身地:長崎市
移住元:徳島県
移住元:徳島県
移住地:外海地区
職 場:吉永製作所
Q1 移住のきっかけは?
出身は長崎市滑石地区で、家具職人として独立するために帰ってきました。
高校卒業後に機械工学の勉強をしていましたが、家具やインテリアについて学びたいという気持ちがあり建築の勉強をしました。
専門学校を卒業後、京都の木工作家に弟子入りし、住み込みで働きながら、家具づくりの勉強をして、一通り道具の使い方を学びました。
そこでは家具づくりだけでなく、自然の中で生活して、サラリーマンとは違う、人間らしい、クリエイティブな生き方も学びました。
建築・家具を学ぶ中で、椅子がすごく造形的で、人間に最も近い家具で、使う人のアイデンティティを表す家具であると思うようになりました。
京都での仕事のあと、徳島県にある木製椅子メーカーに就職し、10年弱働きました。
当初から独立する考えを持っていて、いずれは地元の長崎に帰ることを決めていました。
工場を持つために音が出ても騒音の問題の少ない郊外を探して、東彼杵町や波佐見町、西海市、長崎市野母崎地区なども考えましたが、縁があって、外海地区に決めました。
独立を決めた時は、自分が完全にやっていける自信はなかったですが、自分の時間で好きなものを作ることに魅力を感じていました。
工場はしばらく空き家になっていた建物なので、当初は中まで草が入っていましたが、少しずつDIYで整備していきました。
そうこうしているうちに、地域に噂が広まり、覗きに来てくれる人が増え、定住することに対して、地元に喜ばれた感じがしたことを覚えています。
Q2 住んでいる地域の魅力
高校卒業まで長崎に住んでいましたが、当時は長崎の良さはわかりませんでした。
県外に出たことで、長崎の市街の建築物が中華風であったり、賃貸アパートでもとんがり屋根など西洋風であったり、長崎ならではの特徴がこれまで住んできた京都や徳島と違い、他の自治体にはない特殊な感性を感じました。
現在住んでいる家については、仕事場の近くにある物件で、地元の空き家バンクで紹介してもらいました。
購入前は、天井が破れたり、木が屋根にかかったりしましたが、深刻な状況ではなかったので、間取りを見て、直感的に気に入って購入しました。
外海地区は歴史、文化的背景が面白いです。
地区内には遠藤周作の小説『沈黙』の舞台になっている場所があったり、古くから石積みの文化があるので、石積みの家や塀が残っていたり、独特な景観を生み出しています。
古くて良いものが残っているので、何もいじらずに、良いところを守り、価値を伝えていくことが大切だと思います。
Q3 実際に暮らしてみて、今感じていることは?魅力、暮らし方など
海が綺麗だし、水も綺麗。夕陽はさらに綺麗です。
自然だけでなく、すぐ近くに出津教会堂があって、12時には教会の鐘が鳴るなど風情もあります。
自然もあり、建物や雰囲気も素敵で、地元の人も穏やかだと感じています。
外海で暮らしていくことを決めた時には、自分勝手なことはできないと思い、地域の活動などにも積極的に参加しています。昨年度は自治会の班長をして、自治会長の会長さんたちとも親しくなりました。
外海の人は本当に優しく、パンをくれたり、野菜の育て方を教えてくれたり、自分たちを受け入れようとしていただいている気持ちの表現が何より嬉しかったです。
将来的に自分の工房が経済的に自立し、雇用を生むようになることが、地域への貢献だと考えて、5年後、10年後に、地元に貢献できるようになればいいと思っています。
地元も活性化していくためにもっと人を呼び込もうとされているので、私もこの地にあった方法が見つかれば行動したいと思います。なかなか即効性のあることはできませんが自分ができることを見つけたいです。
外海の地に根を下ろし、地元の木材を使った家具を作って、ここでしかできない仕事をしたいと考えています。
大雨の時など、自然の脅威を感じることがありますし、日常でも不便を感じることはありますが、随分慣れました。
もともと自然が好きだったので、自然に囲まれながら、仕事と生活が緩やかにつながっている感じがする今の暮らしを気に入っています。
Q4 移住を検討されている方へ一言
移住は、無理はしない方がいいと思います。
地元の方々とのコミュニケーションを、本当に楽しめるかどうかが大事です。
移住先では、自分勝手は地元の方々との軋轢を生みかねません。地元の人には敬意を表し、地域コミュニティの一員であるという自覚が必要です。
受け入れる地元側も来て欲しくない人には「ノー」と言っていいと思います。
都会の人と、田舎の人は表現が違うので、理解しようとする気持ちを持った関係づくりが大切だと思います。
Q5 地域のオススメスポット